Ryuichi TAMAI
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Tübingenでの滞在許可証の取得

6/30/2022

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ドイツで滞在許可証(ビザ)を取得するまでの流れは、他の国のものとは大きく異なります。
というのも、ドイツ入国前に滞在許可証を取得できないためです。日本に国籍があるなら90日間はビザを取得することなく滞在できるので、ドイツ入国後にビザを取得するという流れになります(ビザの悪用を避けるためにこうした流れをとっているのだとか)。
入国後にビザを取得するということは、「あの書類が足りない」となっても簡単に入手できない状況の中で手続きすることを意味しています。
そこで今回は、Tübingenでビザを取得するまでの流れを振り返りたいと思います。なにかの参考になれば幸いです。
※あくまでも2022年時点のものです。変更箇所などがあるかもしれません。
※私の場合は研究滞在ビザを取得したので、就労を伴う滞在用のビザの取得ではありません(そちらの方が複雑な手続きを必要とするはずです)。

Step 1. 住民登録 (Anmeldung) の予約

入国したら10日以内を目安に最寄りの住民局 (Bürgerbüro) で住民登録 (Anmeldung) をおこないます。ドイツに3ヶ月以上滞在するなら全ての人が住民登録しなくてはなりません。
Tübingenの場合は事前に住民局のアポイントメントを取る必要があったので、日本を出国する前にオンラインでアポイントメントをとりました(アポイントメントはこちらから)。
Point
住民局のアポイントメントは本当にすぐに埋まってしまいます。日本を出国する前に予約をとっておくことを強くおすすめします。私は日本を出国する3日前にアポイントメントを取ったので、住民登録できたのはドイツ入国後12日後でした...
アポイントメントを取るためのページはすべてドイツ語なので面食らってしまうかもしれません。焦らずに以下の手順でアポイントメントをとりましょう。
  1. "Anmeldung in Tübingen aus dem Ausland und der EU"の横のボックスから、住民登録する人数を選択し、ページ下部の"Termin vereinbaren"をクリック
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  1. 住民登録に必要な書類が記載されたページが表示されるので、内容を確認し、"Ich habe die Hinweise zur Kenntnis genommen"をクリック
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  1. マップの中から、最寄りの住民局を選択します(Tübingenのどこに住んでいるかは関係ないようなので、家の側でなくても職場の側の分室を選択してもいいと思います)
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  1. カレンダーで緑色に色付けされた日時の中から、住民局を訪問したい日時を選択します(グレーでマークされている部分はすでに利用できない時間帯を指します)

    カレンダーは毎日更新されるので、希望する時間がない場合はキャンセルを待つのも一つの手なのだとか...(毎日0時ちょうどに更新)     
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  1. ラストネーム (Nachname)・ファーストネーム (Vorname)・電話番号(任意)・メールアドレスを入力し、チェックボックスにチェックを入れたら、"Termin verbindlich vereinbaren"をクリックして予約完了     
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  1. 入力したメールアドレスに予約完了を知らせるメールが届きます

    メールには予約番号が書かれているので、必ず参照できるようにしておいてください(予約日の前日にも同じメールがリマインダーとして届きます)     
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Step 2. 住民登録のために住民局へ

住民局(私はマルクト広場付近の住民局を利用しました)に行くと入り口にモニターがあります。自分の予約番号が表示されるまでモニター前で待ちます(コロナの影響で建物内の人数を最小限にしていました)。
モニターに予約番号と受付窓口の番号が表示されたら、建物に入り指定の窓口まで向かいます。当日、私が提出したのは以下のものでした。
  1. パスポート
  2. 申請書
  3. 婚姻証明書 (Marriage certificate)・出生証明書 (Birth certificate)
  4. 大家さんに発行してもらう証明書 (Wohnungsgeberbestätigung)
  1. ご家族連れの場合はご家族全員分のパスポートを持参してください
  1. 申請書は住民局に行くと手に入りますが、私の場合は職員さんが代わりに書いてくれました(その際、出生地や結婚前の姓など尋ねられましたが、全て英語で対応してもらえました)
  1. 婚姻証明書(←配偶者をお連れの場合)や出生証明書(←お子様をお連れの場合)は、住民登録以外のさまざまな手続きにも必要です(健康保険の加入時や長期滞在許可証の申請時など)

    こちらの取得方法について、さまざまなHPやブログで紹介されているので詳しくはそちらを参照していただければと思いますが、ざっくりと以下の順に準備します
  • 戸籍謄本を用意する
  • 申請書と戸籍謄本を外務省に郵送し、アポスティーユをつけてもらう
    →戸籍謄本が日本の公的書類であることの「お墨付き」をもらう感じ?
    →およそ2週間ほど時間がかかったと思います
  • ドイツ政府公認の翻訳家さんに依頼し、アポスティーユ付きの戸籍謄本をドイツ語に翻訳してもらう
すべての手続きが完了するまでにおよそ2ヶ月かかったと記憶しています。出国直前ではなく、ゆとりをもって準備されることをおすすめします

なお、必要部数ですが、その場でコピーをとってもらえます。なので、予備と合わせて2部用意しておけば十分ではないかと思います
  1. 大家さんに発行してもらう書類 (Wohnungsgeberbestätigung) は、家が決まったら直ちに用意してもらうといいと思います

    こちらの用紙に必要事項を記載して、ドイツ入国後に手渡してもらうように依頼します

Step 3. 住民登録の手続き後

住民登録の手続き自体は40分〜50分ほどで終わりました。
手続きが終わると、その場で住民登録証が発行されます(こちらはその後の手続きにも必要になるので大切に保管しましょう)。
そして、滞在許可証の申請書(オレンジの用紙)を手渡されます。こちらはドイツ語と英語が併記されており、内容は簡単なものばかりなので問題なく記入できると思います。
住民登録後、1週間ほどでTax IDが記載された用紙が郵送されます(こちらも大切に保管しましょう)。

Step 4. 滞在許可証 (Residence Permit) の申請予約

住民登録が完了したら滞在許可証を申請します。
以前はパスポートにシールを貼り付ける形式だったみたいですが、2011年以降、一枚のカードとなっており、個人情報(指紋や目の色などの身体的特徴、その他の滞在要件)が管理・記録されるようになったみたいです。このカードは電子滞在許可証 (eAT) と呼ばれ、これを発行してもらうことになります。
住民登録と同じく、事前のアポイントメントが必要なので以下の手続きでアポイントメントをとります(こちらから)。
Point
滞在許可証は住民登録を済ませてからでないと申請できませんが、アポイントメント自体は住民登録をおこなう前にとることができます。こちらのアポイントメントは住民登録の時よりもとれません...入国後90日が経過してしまっては大問題なのでこちらも日本を出国する前(ドイツ入国の1ヶ月前ごろ)にアポイントメントをとっておくことをおすすめします。
  1. ラストネームを入力し、"Absenden"をクリック
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  1. 滞在許可証の種類を確認し、申請する人数を選択したら(帯同するご家族がいれば、その人数も含めてください)、"Termin vereinbaren"をクリック
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  1. 滞在許可証の申請に必要な書類(ここには書かれていませんが、ご家族をお連れの場合は婚姻・出生証明書も必要です)を確認・用意し、"Ich habe die Hinweise zur Kenntnis genommen"をクリック
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  1. 緑色のマーカーがついた日程から空いている日時を選択します
    (※下の画像の通り、私が確認した時点で空いている日時は1日しかありませんでした...本当にすぐに埋まってしまうので、ドイツ時間の0時になったらすぐに空きを確認した方がよいです)

    なお、滞在許可証の申請は、マルクト広場の近くにある住民局でなくてはなりません(住民登録の時に使えた分室は使えないようです)
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  1. 緑のマーカーの中から希望の時間帯を選択します
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  1. ラストネーム (Nachname)・ファーストネーム (Vorname)・メールアドレスを入力し、チェックボックスにチェックを入れたら、"Termin verbindlich vereinbaren"をクリック
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  1. これで予約は完了です。住民登録の時と同じく、入力したメールアドレスに予約完了を知らせるメールが届くので、予約番号を参照できるようにしておきます(予約日の前日にもリマインダーのメールが送られてきます)

Step 5. 滞在許可証の申請に住民局へ

私の場合、滞在許可証の申請には以下の書類が必要でした(ドイツ国内で所得を得る方の場合はより多くの書類が求められます)。
  1. 健康保険証
  2. 住民登録証
  3. 所得を証明するもの
  4. 大学からの受入証明書
  5. 学位証明書
  6. 婚姻証明書 (Marriage certificate)・出生証明書 (Birth certificate)
  7. 大家さんに発行してもらう証明書
  8. パスポート(家族全員分)
  9. 申請書(私は住民登録時に渡されたものを使用)
  10. 発行費用
  1. ドイツ滞在中は、健康保険に必ず加入していなければなりません
    そのため、滞在許可証を申請する際に有効な健康保険証の提出が求められます
Point
  • 歯科医で使えない健康保険や出産には使えない健康保険など、滞在許可証の申請において有効ではないと判断される健康保険もあるようです
  • まさに私がそうでしたが、ドイツの公的保険に加入するためには電子滞在許可証の提出が必要でした。しかし、電子滞在許可証の発行には健康保険への加入が必要です。これではうまくいきません。そこで私は、保険会社にお願いして、「この申請者は電子滞在許可証を取得した後、間違いなく保険に加入する」と書いた証明書を用意してもらいました。申請時は、無事にその証明書を受け付けてもらえました。
  1. 住民登録証は住民登録した時に発行された書類のことです(ご家族全員分をご持参ください)
  1. 所得証明ですが、私の場合は学振に発行してもらった証明書を提出しました
    学生の方はscholarshipを受けていることの証明書や学費・生活費の工面をしてくれる方の名前を提示することでも認められるようです
  1. 大学からの受入証明書は受入研究者に書いてもらってもよいみたいですが、私の場合は大学のWelcome centerにHosting Agreementを用意してもらいました
  1. 卒業大学の学位証明書(英語でOKです)が必要です(私はドイツ入国後に用意してしまいましたが、本来は日本出国前に用意するべきでした)
  1. 婚姻・出生証明書は住民登録の時と同じもので受け付けてもらえました
  1. 賃貸契約書も住民登録の時と同じもので受け付けてもらえました
  1. パスポートは再度ご家族全員分をご持参ください
  1. 住民登録の時に受け取ったオレンジ色の用紙のことです(住民局のHPから入手することもできます)
  1. 発行費用は大人一人当り€100、子供一人当り€50でした
窓口の方から「目の色」と「背の高さ」を聞かれました(英語でOK)。そして、両手人差し指の指紋も登録しました(大人のみ)。電子滞在許可証にこれらの情報を登録するためです。それ以外、特別なことは何も聞かれませんでした。
最後に発行費用(大人2名:€200+子ども1名:€100)を支払います。私の場合は現金で支払いましたが、EC-Karte(ドイツのデビットカード)での支払いも可能なようです。
特に問題がなければ、4〜6週間で滞在許可証が発行されたことを知らせる通知が自宅に郵送されると言われました。
Point
電子滞在許可証の申請は入国後90日以内に済ませておかなければなりませんが、実際に手元に届くのは90日を経過していても良いみたいです。申請した時点で仮の滞在許可証が発行されているためなのだとか...とはいえ、早いに越したことはありません...

Step 6. 長期滞在許可証の申請後

申請をしてから4週間ほどで住民局から自宅のポストに手紙が届きます。
※本来はもう少し早いみたいですが、私が申請した時は、ドイツがウクライナからの難民の受け入れを積極的におこなっていた時で、オフィスも慌ただしくしていたため通常よりも時間がかかったとのことでした。
届いたものはPINコード通知書と呼ばれるものでした(オンライン身分証明機能を利用できない16歳未満の方にはPINコード通知書は届きません)。
電子滞在許可証のオンライン身分証明機能を使うためには、自ら6桁のPINを設定して、電子滞在許可証のアクティベートをしなければならないそうです(詳しくはこちらの15ページ)。その設定の際、あらかじめ設定された5桁のトランスポートPINを入力しなくてはならないようで、PINコード通知書にはその5桁が書かれていました。
この手続きをしていないと、さまざまな公的機関で求められる身分証明をお手軽にできないそうです。
そして、PINコードは...
  1. 住民局にてその場で設定する
  2. カードリーダーを用いて自分で設定する
の2通りの設定方法があるそうです。
Point
PINコード通知書には、PINコードの入力を2回誤った際に必要となるアクセス番号、3回誤った際に使用するPUK、紛失した場合にロックをかけるためのロックパスワードが記されています。いずれも非常に大切なものなので、PINコード通知書は必ず大切に、そして、他の人に知られないように保管してください。
申請してから6週間(PINコード通知書が届いてから10日ほど?)が経過しても何の通知もなかったため、PINコード通知書を持って住民局へと行ってみました。
住民局に入ると正面に円形のカウンターがあるので、そこで「eATの受け取りに来た」と言ってみましたがやはりダメでした。
しかし、(「早く受け取りたいんだ」と粘って)スタッフの方に電話で確認してもらうと、「来週なら受け取れる」と言われたので、その場で受け取りの予約をしました。
※もう少し待てば通知が届いたみたいです...

Step 7. 滞在許可証の受け取り

予約した日時に住民局へと行くと奥の外国人局へと案内され、すぐにeATを受け取ることができました。当日はパスポートを持って行けば、eATの記載事項とパスポートの記載事項との間に相違がないかを確認してもらうだ、受け取りの署名をして修了です。時間にして10分もかからなかったと思います。
長くなりましたが、以上が滞在許可証を得るまでの手続きです。参考になれば幸いです。

余談

私たち家族の場合は、ドイツ入国からeATを申請するまでの間、日本の旅行保険に入っていました。通常、入国から90日以内にeATを申請することになるので、長くても90日分は抑えておけば、eATを申請できていない期間も医療費の心配はありません。
ただし、上記の通り、eATの申請から受け取りまでには、さらに6週間ほど空いてしまい、90日を超えてしまう可能性があります。それどころか、eATの申請がドイツ入国後90日ごろ(=期日ギリギリの申請)になってしまうと、eATが手元に来るまでに90日+6週間ととても長い期間となり、旅行保険で賄える期間を大幅に超えてしまいます。
保険会社の中には、eATの実物を提示して、はじめて正式に加入を認めるところがあります。そのため、申請から受け取りまでの6週間に怪我や病気をしてしまわないかが心配です(特に小さなお子様連れのご家庭の場合)。
これについて、一般的な健康保険であれば、eATの申請をおこなった時点から保険に加入しているものとしてみなされるはずです。そのため、申請から受け取りまでの間に怪我や病気をして医療費がかかってしまっても、正式に加入した後に遡って保険会社に請求できます。
とはいうものの、一旦は自己負担になってしまうため、その金額は相当なものなのではないでしょうか...やはり、早めに住民局のアポイントをとっておき、入国後速やかに手続きすることを推奨します。
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